タイトル
項目5
今回の作品では、ただ統計データを可視化させるだけではなく、そこから何が見えてくるのかについても、少し考察してみたいと考えていました。
このページでは、私が「なぜこんなところに〇〇人が沢山いるの??」という視点でピックアップした3つの地域と、
それらの地域に関係する3カ国との繋がりについて調査した結果を見ていきます。

ベトナム × 兵庫県姫路市

ベトナムと姫路市
ベトナム人と兵庫県姫路市のつながりは、1975年のベトナム戦争中からだと考えられる。
当時、戦火から逃れるために他国へ渡ったインドシナ難民(ベトナム・ラオス・カンボジアの難民を指す)が、姫路市に位置する定住促進センターへ移り住み、新生活を始めたという背景がある。 ベトナム戦争終結後は、日本に残ったベトナム人難民に子供が生まれるなどして今でも数多くのベトナム人が暮らしている。
現在、姫路市では「姫路市国際化推進プラン(2022-2026年度)」が新たに策定され、互いに異文化理解を促進させる場の提供や外国人市民が安心して暮らすことができる生活支援への充実を図っている。

フィリピン × 岐阜県可児市

フィリピンと可児市
岐阜県可児市には、県内最大規模の工業団地や大手自動車・家電製品企業が多く存在しており、1986年のバブル期から外国人労働者の受け入れが活発になった。 当時は、日系ブラジル人の外国人市民が多かったが、リーマンショック以降は日系フィリピン人の外国人市民が徐々に増加し、現在は日系ブラジル人の人口を追い抜くまでになっている。
そして、可児市では「可児市多文化共生推進計画(2020-2023年度)」が策定されており、教育環境の整備や暮らしへの支援等を行政だけでなく各種団体や企業とも連携して行うことを進めている。

ブラジル × 島根県出雲市

ブラジルと出雲市
島根県出雲市にブラジル人が急増したのは、2015年3月以降と非常に最近のことである。
急増の要因としては、京都に本社を置く電子部品・デバイス製造メーカーが、1980年代に日本海側へ工場進出を開始したことである。 その企業が業績増加に伴う工場や雇用の拡大を行うことで、生産の一部を担う請負業者数も増加。請負業者で請負工を担っているのが日系ブラジル人であるため、現在も増加し続けていると考えられる。
また、出雲市では「第2期出雲市多文化共生推進プラン(2020-2024年度)」が策定されており、多文化共生への意識啓発や日本語の学習環境の充実を図っている。